よしとが小学校から家に帰り、母親に向かって「ただいまー」と大声
で言った。
しかし、家にいるはずの母親の声がしない。玄関の上がり口にメモが
置いてあった。
「妹の面倒を見てあげて下さいねー。」
母親が、よしとに書いたメモであった。
母親はよちよち歩きの妹を、家に寝かしたまま、畑仕事に出かけていた
のである。
よしとは、かなり不安であった。
なぜならば、学校からの帰りに、友達と遊ぶ約束をしていたからである。
よしとは、とにかく大急ぎで宿題を終えた。そして、家の周りの畑で
母親を探した。
しかし、母親は見つからなかった。そして、妹はぐっすり寝込んだまま
身動きもしなかった。
よしとは、少しくらい遊んでいても、妹は起きないだろうと思った。
そして、もし妹が起きたとしても気を紛らわすことが出来るように、
寝ている妹のそばに、人形を置いて遊びに出かけた。
2時間くらい友達と遊んで、大急ぎで家に帰ると、妹が家の外で大声で
泣いていた。
よしとは大急ぎで妹を抱き上げた、そして家の中でオムツを替えてあげた。
すると、妹はとても機嫌よくお人形さんと遊んでいた。
妹はただオムツを替えて欲しいだけだったのです。
まだ1歳そこそこの赤ちゃんなのに、とにかく一人で遊ぶのが好きな・・・
と言うか?
いつも母親にほったらかしにされているから、慣れていたのかも知れません。