よしとは「誰と行くの」とたずねた。
「おばあちゃんと、佐山のおばちゃんよ」と母は答えた。
佐山さんは、隣の家でよしとと同い年の男の子がいた。
そして、おばあちゃんが先頭を歩き、よしとの母と佐山のおばさ
んはピクニックに出かけるように、にこやかにそして楽しそうに
話しながら砂利道の県道を歩いていった。
その後をよしとと佐山がはしゃぎながらついていった。
よしとは、芝刈りに行くのはしんどいからいやだった。
しかし、佐山があまりにも楽しそうにはしゃいでいるので、よし
とは一瞬芝刈りのつらさを忘れて、佐山といっしょにはしゃぎな
がら皆について行った。
家から山まで約1キロくらいあった、5歳のよしとと佐山にとっ
ては大変な距離だった。案の定、山に着く前に佐山は「しんど
い」と言って母親におんぶをしてもらった。
山に着くとよしとはもうくたくただった。「しばらく休んど
き!」と母に言われて、よしとはその場にしゃがみこんだ。
しばらくすると、お昼ご飯だった。母親の作ったおにぎりは本当
においしかったが、佐山のおばさんがくれた玉子焼きは甘かった。
昼ごはんが終わると周りの景色がよく見え、はるかかなたに
海が見えた。空気が澄み切っている為、海の青さがひときわ美し
かった。そして、その海の向こうに夢と希望が満ち溢れているよ
うによしとは感じた。
昼食後よしとは落ちている、枯れた木の枝を拾い集めた、といっ
ても5歳の子供のすることである、3本か5本集めたらもうすぐ
に飽きてしまい、その場にしゃがみこんで休憩した。
よしとはほんの少しの枯れ枝を母親に背負わせてもらった。よし
との母は一抱えの焚き物を荷造りし、それを2つも背負い、1キ
ロの道のりを家路に向かった。その時よしとは早く大きくなって、
母に楽をさせてあげたいとしみじみと感じた。